滲出性中耳炎

滲出性中耳炎?

耳の鼓膜の奥にある鼓室という小さな空間に液がたまった状態が、「滲出性中耳炎」です。

滲出性中耳炎の原因としては、大きく分けて二つあります。
ひとつは、耳管狭窄症が慢性化して、下がった鼓室内の気圧により周りの血管から滲出液が滲み出て鼓室にたまった場合、もうひとつは、鼓室内に膿がたまる急性中耳炎の状態が良くはなったが、まだ無菌性の液がたまっている場合です。

いずれの場合も、痛みを伴うことはほとんどなく、特に子供さんの場合は訴えもほとんどなく、聞こえの悪い状態が持続することになります。カゼのあと、お子さんの「テレビの音が大きい」「聞き返しが多い」といった症状があるときには、特に注意が必要です。

また、子供さんの急性中耳炎で、痛みを訴えなくなったからといって治療を中断することを避けていただきたい理由がここにあります。

診断・検査方法

耳鏡や耳鼻咽喉科用顕微鏡を使って、鼓膜をよく観察します。

滲出液や泡が透見されて滲出性中耳炎が強く疑われる場合には、(お子様の場合は年齢等を配慮したうえで)、できるだけ聞こえの程度を測る聴力検査や鼓膜の動きより鼓膜の内外の気圧のバランスをみる検査(ティンパノグラムといいます)を行い、より正確な診断を心がけています。

当院の治療方針

軽度の場合は、耳管狭窄症の場合と同じく、鼻処置および鼻から耳に空気を送る通気加療により治療します。

滲出液が多く貯留していて、鼻処置や通気加療だけの保存的治療では相当の期間がかかることが予想される場合には、鼓膜を麻酔したうえで顕微鏡下に少しだけ切開し、中に溜まっている滲出液を吸引除去することにより聴力の改善を図ります。その後は、耳管狭窄症に準じて治療を行います。

鼓膜切開を行っても滲出液の貯留を繰り返す場合には、鼓膜切開を行った後、シリコン製の小さなチューブを留置し、そのチューブにより鼓室内の換気を図ります。それにより鼓室内の換気状態が改善され、聞こえもいい状態で維持することが可能となります。チューブは殆どのケースで、約半年~2年で自然に外れます。
兵庫県 尼崎市の耳鼻科(耳鼻咽喉科) 尼崎駅前耳鼻咽喉科のざわクリニックには、塚口・園田・JR尼崎・阪神尼崎 方面のみならず、豊中市、伊丹市、西宮市、芦屋市、宝塚市、川西市、三田市、篠山市、大阪市、西淀川区、淀川区、東淀川区、此花区、神戸市、灘区、東灘区、明石市など、阪神・大阪の広い範囲から患者さんが来られます。バリアフリーで、子供(こども)や高齢者の患者様にも安心してご来院いただけます。