めまいとは?
身体のバランスを取る機能に障害が生じ、目の前の景色あるいは自分自身がグルグル回るように感じたり、フラフラ、フワフワあるいはフーッとなると表現される、ゆれたり倒れこんだりするように感じる感覚は、一般に「めまい(眩暈)」とよばれ、吐き気を伴うこともしばしばあります。
その原因は、大きく分けて、
小脳を中心とした中枢性
耳の奥の、前庭や半規管とよばれる部分に障害を生じた内耳性(末梢性ともいいます)
血圧調整などの自動調節を行っている自律神経に障害を生じた自律神経性
に大別されます。
1)の中枢性の場合、典型的な症例では、目を開けていても身体がひどくよろけたり、手や足のしびれ感あるいは呂律(ろれつ)の回りにくさなどの、他の神経症状をともなったりしますが、中にはそうした症状が目立たない場合もあります。
2)の代表がメニエール病ですが、これは、「耳鳴り、耳閉感などの耳症状を伴い、回転性めまいを繰り返すもの」とされ、ともすれば、「めまい=メニエール病」とも考えられがちですが、めまい症のうちでメニエール病と診断される頻度はそう多いものではありません。メニエール病以外には、良性発作性頭位眩暈症、外リンパ瘻、前庭神経炎などがあります。
3)の代表が、起立性低血圧による立ちくらみや失神感を主症状とするめまいであり、近年マスコミ等で「かくれ低血圧(隠れ低血圧)」と呼ばれているものです。そして、女性の場合には更年期症状に関連して起こることも多くあります。
診断・検査方法
めまいが起きたときの様子や持続時間、さらには難聴、耳鳴りといった随伴症状について詳しくお聞きし、正確な診断に反映します。また、しびれ、呂律(ろれつ)の回りにくさ、運動障害といった中枢症状(脳機能症状)を伴っていないかを確認することも大切です。その後、いろいろな条件下での目の動きの検査(眼振検査)や聴力検査、重心動揺検査を行います。(いずれの検査も、痛み等は全くありません。)
さらに当院では、自律神経機能障害がめまいの背景になっていないかを確認するために、シェロングテストという血圧測定を用いた自律神経検査を行っています。問診やこうした検査により、中枢性のめまいであることが疑われる場合には、速やかに近隣病院放射線科でのCT検査もしくは脳外科受診を紹介しています。
当院の治療方針